サビは“腐食”です。

金属のほとんどは自然界の酸化物・硫化物等の鉱石から 還元操作により人為的につくられた物質です。腐食とはその金属が大気中で自然に還るイオン化現象です。

鉄は空気や水に触れるとイオン化します。この時イオンが大気または水溶液に溶け出し、残された電子が腐食電流として流れることでサビが進行するのです。

腐食現象には8つあり、全面腐食、粒界腐食、孔食、隙間腐食、応力腐食割れ、電位差腐食、エロージョン・コロージョン、酸化に分類されます。これらの腐食形態は独立して起きる場合もあれば、関連して生じる場合もあります。

一般的に言われているサビは鉄が全面腐食した結果生じた腐食生成物です。代表的な鉄のサビ色は、黄色、茶色、茶褐色、黒色などがあり、厚さや結晶の大きさにより色が変わっていきます。

一般的にステンレス鋼やアルミニウムなどにはサビの斑点が生じます。これは、使用される環境に塩化物が含まれ、金属の不動態皮膜が破壊されて生じる腐食生成物です。これは全面腐食ではなく、孔食や応力腐食割れの結果と言えます。

サビ発生のメカニズム

鉄の構造はFeの原子と自由電子e-からできており、
外部要因がない乾燥した大気中であれば構造的、電気的にも安定しています。

この自由電子が、鉄の一様で大きな引張強さ、電気伝導性、熱伝導性や加工性といった優れた性質を与えているのですが、サビ生成にも大きな影響を与えます。

しかし、安定していた鉄も外部要因として雨等が降ると、鉄の表面に吸着した水分によりイオン化します。

さらに周りの空中の酸素が水分の中に溶け込むと、鉄の中にある自由電子e-が水分に取り込まれ、水と酸素と電子が反応して、OH-のマイナスの水酸化鉄イオンになります。一方、鉄は、電子が奪われたためFe2+プラスの鉄イオンになります。

Fe2+はさらに電子を離しFe3+に変化し、 Fe3+はOH-を引き寄せ、Fe(OH)3となります。
その後水分(H2O)がなくなり、酸化鉄としてサビ(Fe2O3)が生じます。
これがサビの発生メカニズムです。

実際の鉄の表面では、この反応が無数に至るところで発生するため、全面腐食を呈することになります。

サビのメカニズム

2H2O + O2 + 4e- → 4OH-
2Fe → 2Fe2+ + 4e-
2Fe2+ + → 2Fe3+ + 2e-
Fe3+ + 3OH- → Fe(OH)3
Fe(OH)3 → FeOOH + H2O
FeOOH → 1/2Fe2O3 + 1/2H2O

サビ発生の要因

要因1:水(H2O)と酸素(O2

1. 鉄の場合、相対湿度60%以上になると鉄表面が水で覆われるためサビが発生することがあります。梅雨の時期や、冬期間は注意が必要です。

2. 水中のサビは、溶存酸素(水中に溶けている酸素)の量によってサビが発生します。
また、水のph(酸性、アルカリ性)によって腐食量は違い、phの低い(酸性)の水のほうが、腐食しやすくなっています。高アルカリ性では、黒や茶褐色のサビが表面を覆うため、腐食速度そのものは落ちます。

要因2:電気伝導度

電気伝導度(電気の通りやすさ、水中に存在するイオンの量)により、サビやすさが違います。
電気伝導度が高いほど腐食しやすくなっています。
そのため、電気を運ぶイオンの少ない純水中では腐食が起こりにくくサビ(腐食)が進行しにくくなっています。

水道水:電気伝導度100~1000μS/cm程度。イオンが多く、腐食電流が流れやすいのでサビが進行しやすい。
純水:電気伝導度1μS/cm程度(絶縁体に近い)